地球の磁場が弱くなっている-欧州宇宙機関の地磁気観測衛星(SWARM)が確認
人工衛星「SWARM」は欧州宇宙機関(ESA)が2013年11月に打ち上げた地磁気観測衛星。同型の衛星3基が連携して観測を行い、地球磁気圏のデータを収集する。(Wikipedia)
・ヨーロッパ宇宙機関(ESA)
人工衛星SWARMが明らかにした地球の磁場の変化について

欧州宇宙機関(ESA)の地磁気観測衛星SWARMは、地球の磁場の変化について最新の高解像度データを提供しています。SWARMは2013年11月から運用されており、宇宙線の衝突や荷電粒子から地球上の生命を保護している地球の磁場の複雑な仕組みについて、これまでにない洞察をもたらしています。
SWARMが過去6ヶ月間(2014年6月時点)に行った観測から、以下の点が確認されました。
- 地球の磁場は全般的に弱くなっていることが示されています。
- 特に、地球の西半球で磁場が最も劇的に減少していることが明らかになりました。
- 一方で、インド洋南部など、一部の地域では2014年1月以降、磁場が強くなっている場所もあります。
- 最新の測定により、北の磁場(磁極)がシベリアの方向に向けて移動していることも確認されました。
- これらの変化は、地球の核に由来する磁気信号に基づいているとされています。
今後、科学者たちは、マントル、地殻、海洋、電離圏、磁気圏といった他の情報源からの磁気の影響を解明するためにデータを分析していく予定としています。これにより、地球内部で発生する自然現象のプロセスが太陽活動によるものだという新しい洞察や、地球の磁場が弱まっている理由をより深く理解するきっかけとなる可能性があります。これらの結果は、デンマーク・コペンハーゲンで開催された「第3回SWARM科学会議」で初めて発表されました。
地磁気弱体化が地球上の生命に与える影響

地磁気の弱体化は、地球上の生命に対して様々な影響を及ぼす可能性が指摘されています。
•宇宙からの有害な線からの保護機能の低下: 地磁気は、宇宙線や荷電粒子から地球上の生命を保護する役割を担っています12。そのため、磁場の減少があまりにも進むと、人間を含む地球上の多くの生命に有害だとされています。
•生物の行動への影響: 地磁気に頼って行動する生物、例えば渡り鳥などは、地磁気で方向を得ていると考えられています。地磁気が消滅した場合、その種としての生存自体が厳しくなる可能性が指摘されています。
•地球大気への影響: 磁場が逆転する際には、地球の大気の保護が弱まり、酸素イオンが宇宙へと流出するという研究結果も発表されています。これは過去の大量絶滅の原因として考える余地のある理論ともされています2。現在の減少傾向が続けば、西暦3525年には地磁気の強さがゼロになるという予測もありますが、現在の磁極の移動や地磁気の減少が加速している場合、その時期はさらに早まる可能性も示唆されています2。
•人体への多岐にわたる影響: 地磁気学の専門家であった前田担(ひろし)元京都大学名誉教授の著書『生物は磁気を感じるか ― 磁気生物学への招待』(1985年)には、人間を含む哺乳類が地磁気から受ける影響として、以下の内容が1960年代頃からの研究で確認されていると記されています。
◦タンパク質の構造が変化する。
◦DNAやRNAの向きに影響を受ける。
◦遺伝子の遺伝暗号エラーの増減に影響を受ける。
◦赤血球の運動が変化する。
◦細胞の培養の変化に影響する。
◦血液の凝固速度が変化する。
◦水を軟水化させる影響と関係する。
◦具体的な例として、地磁気の減少と共に女性の初潮年齢が下がっていたというノルウェーのデータも挙げられています。
なお、これらの地磁気と人体に関する貴重な研究は、1980年代以降、なぜか突然に進展しなくなったと述べられており。その理由としては、「宇宙が人間に影響を与える」という考え方が、様々な方面から認められない概念の一つだったためという可能性が示唆されています。
source:2014年07月01日
地球の磁場が弱くなっていることを欧州宇宙機関の地磁気観測衛星(SWARM)が確認/地磁気と人体の関係
https://hontougaitiban.seesaa.net/article/201407article_4.html